心地よすぎる打鍵感で話題のNiZ社が、新しいキーボードを発売しました。
その名も「NiZ X99」。
テンキー付きですが、従来のフルサイズキーボードより幅が15%程度コンパクトとなっています。
今までのNiZには無かった配列なので「テンキーは使いたかったけど、大きいのはちょっと・・・」という方にピッタリなモデルです。

そして、従来のNiZに備わっていた心地よい打鍵感は健在。

相変わらず、タイピングが捗る気持ち良さ…
今回はメーカーよりサンプルをご提供いただきましたので、NiZ X99のレビュー、メリットやデメリットを、タイピング動画を添えてお届けします。
テンキーと心地よい打鍵感を両立させたい方、必見です。


- 心地よい、最高の打鍵感・打鍵音
- 細かな配慮も見られる、しっかりとした作り
- カスタマイズ性が高い
- テンキー有りなのにコンパクト
- 特殊な配列で、癖がある
- シンデレラフィットするパームレストは少ない
NiZ X99とは?
NiZ X99とは、心地よい打鍵感を兼ね備えた、99キーの静電容量無接点方式キーボードです。


NiZ X99の特徴
NiZ X99の特徴は下記の通り。
- キースイッチは静電容量無接点方式
- テンキー有りの99キーのキーボード
- 白・パステルのシンプルなデザイン
- キーキャップはCherry MX互換性有り・PBT素材
- 接続は有線のみ
NiZの特徴はなんと言っても、特徴的な心地よい打鍵感。
この打鍵感は、キースイッチが静電容量無接点であることに起因しています。
静電容量無接点方式とは:キースイッチの仕組みの1つで、静電容量を感知して押下を認識するキースイッチの仕組みのこと。
ざっくりと静電容量無接点方式の特徴をまとめると、下記の通りです。
- 接点がないので(無接点)、耐久性が高い
- ラバードームによりタイピング感がなめらか
- キータッチが軽く静音性が高い
- 値段も高い(安くて20,000円〜)
要するに、耐久性が高くなめらかなタイピング感が素晴らしい、高価なスイッチ、という所ですね。


そんなキースイッチをふんだんに使ったのが、今回紹介するNiZ X99です。
NiZ X99のスペック
NiZ X99の詳細スペックは下記の通りです。
製品名 | NiZ X99 |
---|---|
メーカー | NiZ PLUM |
画像 | ![]() ![]() |
色 | 1色(ホワイト) |
レイアウト | 99% |
配列 | US配列 |
サイズ | 38cm×13.5cm×2.5cm |
キー素材 | PBT |
キープロファイル | OEM |
キースイッチ | NiZ EC SWITCH |
ホットスワップ | 不可 |
接続方法 | 有線(USB Typoe-C) |
キーマップ変更ソフト(対応OS) | 有り・Windowsのみ |
Nキーロールオーバー | 可 |
重さ | 約1.2kg |
NiZ X99のスペックに沿ったレビュー
まずは、NiZ X99のスペックに沿ってレビューをしていきます。
付属品・デザイン・外観
付属品は下記の通り。
- 交換用キーキャップ
- キースイッチキーホルダー
- キースイッチ予備パーツ
- キーキャッププラー
- 荷重変更用スプリング


交換用キーキャップは、Mac用のもの・既存色付き部分をグレーに変えるもの、2種類が付属しています。
NiZをシックに使いたい場合に、グレーキーキャップは良い感じですね。




付属のスプリングを使用すればキー荷重を+10gできるので、35gで軽すぎる場合は使用すると良いかと。
個人的に35gは軽すぎるので、スプリング有りがしっくり来ます。


そしてもちろん、NiZ恒例のキースイッチキーホルダーもございます。


続いて、本体デザインを見ていきましょう。
ボディは白色で、キーキャップも同色の白・灰色及びポイントでピンク・水色が入っています。
以前のシリーズから比べると、少し華やかになりましたね。


右上には大量のインジケーターランプが。
CapsLock等々のステータスを確認できます。


本体裏側はシンプル・イズ・ベスト。


スタンドは二段階調節が可能となっています。
NiZシリーズは高・低どちらの足にもゴムが付いていて、親切設計です。




接続端子はUSB-TypeC。
接続部分は本体側面ではなく内側に入り込んでいる構造なので、太いケーブルだと上手く刺さらない可能性があります。


そして他NiZシリーズにも有る、この窪み。
ずっと、何だろうなこれ、デザインの1つかな、と思っていたんですが・・・。


今回ふと思い立って試行錯誤してみた所、どうもケーブルを左右に逃がす為の窪みっぽいです。


左右にPCがある場合のケーブル取り回しに、かなーり便利ですね、これ。
特に接続先が机の左右に位置している方にはピッタリだと思います。


PCとの接続方法
NiZ X99 WHITEは、下記の方法でPCと接続ができます。
- 有線(USB-Type C)
- Bluetooth(5.0)
とは言ったものの、2023年3月時点ではまだ有線モデルしか発売されておりません。
Bluetooth版の発売日ですが、予定としては2023年の9月〜11月になる予定とのことです。



気長に待ちましょう
・・ただ、気になるのは、そうです、技適です。
技適とは:「技術基準適合証明」の略で、特定無線設備が電波法の技術基準に適合している証明のこと。要するに、この証明が取得できていない製品は、日本国内で無線接続を行ってはならない(電波法違反に抵触してしまう)。
メーカーに確認した所、現時点ではまだ何とも言えないとのことでしたので、こちらも続報を待っていただければと思います。
キー数・配列
キー数と配列は下記の通りです。
- キー数:99個
- 配列:US配列
イメージとしては、フルレイアウトキーボードからInsertキー・PrintScreenキー等々を抜いた感じ。
その他のキーを抜き、ギュッと配列を狭めた結果、テンキー有りでそこそこコンパクトなサイズとなりました。


ちなみに他のラインナップとして、S104という完全フルレイアウトキーボードもあります。
S104はクセの無いスタンダードな配列なので、慣れ親しんだフルレイアウトキーボードを使用したい場合はオススメです。
キーキャップ
キーキャップの素材・プロファイルは下記の通り。
- キーキャップの素材:PBT
- キーキャップのプロファイル:OEM
まずはキーキャップから見ていきましょう。
キーキャップの素材はPBTです。
- ABS:安価で軽め・劣化するとテカる・ツルツル
- PBT:高価で重め・テカりにくい・スベスベ・サラサラ
NiZシリーズ、発売当初はABSが使用されていたようですが、リニューアルに伴い全てのキーキャップがPBTプロファイルに刷新されました(値段も上がりましたが・・)。
ABSは安価ですが、経年劣化でテカテカしてしまうのはいただけない部分だったので、PBTなのは喜ばしい所です。


キーキャップのプロファイルは、OEMです。
プロファイルとは:キーキャップの形のこと。大きく分けると「スカルプチャード(高さが異なる)」と「ノンスカルプチャード/フラット(高さが同一)」がある。規格が統一されていないため、メーカーによって形が様々。
OEMはメカニカルキーボードで良く見る、スカルプチャードなプロファイルですね。
いい塩梅の傾斜がついているので、どのキーでもタイピングし易いのが特徴です。


キーキャップの印字・色のバリエーション
キーキャップの印字方法は、ダブルショットです。
ダブルショットとは:キャップ部分と印字部分を二層に分けたキーキャップの作製方法のこと。
ダブルショットといえば、比較的高価なキーボードに使用されていることでお馴染みです。
キートップ部分に印字している訳ではないので、基本的に印字が消えることは無いと考えて良いでしょう。


また、NiZ X99はキーキャップの軸が「Cherry MX互換」となっています。
要するに、Amazon等で売っている大多数のキーキャップを装着できる、ということです。
他社製の静電容量無接点方式キーボード「RealForce」「HHKB」のキーキャップは特殊な構造をしているので、市販のキーキャップと互換性が低いという難点がありました。
しかし、NiZ X99であれば問題なくカスタマイズできます。これは結構大きいメリットですね。


よって、キーボードを自分色にカスタマイズしたい方には、ピッタリな製品だと思います。
APC設定
NiZ X99は、APC設定が可能です。
APCとは:「アクチュエーションポイントチェンジャー」のことで、キースイッチの反応位置を変更できる機能のこと。反応位置を高くすれば軽い打鍵でタイピングでき、逆に低くすることでキーを底まで押し込まないと反応しないよう、設定ができる。
APCは高・中・低の3段階で設定でき、これらはショートカットコマンド(Fn+↓)にて変更できます。
ゲームのようにタイピングの初速が大事な場合は反応位置を「高」にしたり、通常のタイピングで使う場合は「中〜低」で使ったりと、臨機応変な設定が可能です。


APC設定ができるキーボードは少なく、実際RealForceでしか聞いたことがないので、結構レアな機能だと思います。
「高」に設定して撫で打ちするとあからさまに指の負担が減るので、手の疲れに困っている方にはオススメです。
キースイッチ・タイピング動画
続いて、キースイッチの詳細とタイピング動画です。
キースイッチ:静電容量無接点方式
キースイッチは、NiZ社オリジナルの静電容量無接点方式の軸「NiZ Switch」が使用されています。
特徴としては「軽い荷重」と「独特の心地よい打鍵感」です。
荷重は35gと、キースイッチとしては最高クラスの軽さ。
どれだけ軽いかと言えば、キーに指を置いているだけでタイピングされてしまうレベル。
体感ですが、メカニカルスイッチの35gよりも全然軽い印象です。


そしてなんと言っても、独特の心地よい打鍵感が最高です。
一般的なメカニカルの「カシャカシャ」や、他の静電容量無接点方式の「スコスコ」した感じとはまた違い、いうなれば「コトコト」「ポコポコ」しています。



個人的に、キースイッチの中で一番好きです。


サイレント具合も最高で、人の多い場所で使ってもほぼ気にならないと思います。
どこでも使えて、かつタイピングの心地よさも相まって、至高のキースイッチですね。
タイピング動画
ということで、そんな至高の音を奏でるNiZ X99 WHITEのタイピング動画はこちらです。
コトコト・ポコポコ具合が伝わったでしょうか。
タッチが非常に軽く、それでいて打鍵感も柔らかいので、音もタイピングも非常に心地よいです。



コアなファンがいることも、頷けますね。
アプリケーション
NiZ X99 WHITEは、独自のアプリケーションを使用することで、キーマップ変更等を実施できます。
対応OSはWindowsのみ。


可能な変更内容は下記の通りです。
- キーマップの変更
- プログラムモード(Fnキーレイヤー)設定
英語か中国語しか選択できませんが、わりかしシンプルなアプリケーションなので、直感的に操作できると思います。
また、疑似レイヤー機能(プログラムモード)も備わっているため、カスタマイズ性能も高めです。
プログラムモードについては、こちらのAtom68キーの記事に記載しているので、よろしければご覧くださいませ。
LED:なし
LEDは内蔵されておりません。
もしLED付きの機種が良いのであれば、他機種のRBGモデルを購入すると良いかと思います。
通常のモデルより少々価格は上がってしまいますが、バキバキに光らせたい!というのであれば、是非RBGモデルをお求め下さい。
NiZ X99のメリット・使用感レビュー
それでは、NiZ X99を実際に使用したレビューと、感じたメリットをご紹介します。
心地よい、最高の打鍵感・打鍵音
やはり、打鍵感・打鍵音は至高です。
この「コトコト」音、他のキーボードには無い唯一無二の音なので、タイピング動画を見てピンと来た人なら買って損はないと思います。


また、静音性が高いのも非常に魅力的です。
静電容量無接点方式は物理的な接点がないので、メカニカルスイッチ特有のコツコツした音はほぼ聞こえません。
もしメカニカルスイッチで高い静音性を得ようものなら分解してルブ塗布が必要なので、割とめんどくさいんですよね。
家用にも、ビジネス用途にもバッチリなキーボードだと思います。
細かな配慮も見られる、しっかりとした作り
想像以上に作りがしっかりしているので使用感も良く、末永く使用することが可能な所は大きなメリットだと思います。
「想像以上に」と言ったのは、NiZは国産メーカーではないですし、かつ価格も他メーカーの静電容量無接点方式(RealForce・HHKB)に比べると安価な為です。
しかし蓋を開けてみれば、高品質でしっかりとした製品だった、という嬉しいオチですね。


キーキャップはPBTで外側のバリは少なく、印字も非常に綺麗。
本体もしっかりと重みがあり、安定したタイピングができます。


二段階のチルト部分のどちらにも貼られたゴム足や、USB接続端子が外から見えないようなデザイン性に関しても、ユーザーライクにきちんと設計されているんだなあと思いました。


カスタマイズ性が高い
NiZ X99はキーマップが自由に変更でき、様々なキーキャップに互換性があるので、カスタマイズ性がとっても高いです。
キーマップ変更の自由度の高さは、静電容量無接点方式のキーボードの中では郡を抜いていると思います。
マクロ、レイヤー機能も駆使できるので、効率を重視する方にはピッタリのキーボードかと。


デザイン性に関しては、ノンカスタマイズの状態でもシンプルで素晴らしいのですが、簡単に市販のキーキャップに交換できる点はありがたいですね。
シンプルにも、レトロにも、サイケにも、自分色に染め上げることができます。


静電容量無接点方式でここまでカスタマイズ性が高いキーボードは、NiZだけの魅力ですね。
テンキー有りでコンパクト
テンキーが付いていながら省スペースな配列なので、デスクをスッキリさせたい方にもおすすめです。
通常のフルキーボードよりもスタイリッシュであるため、「マウスとの距離は遠くしたくないけど、テンキーも使いたい」という方にピッタリ。



正に「いたれりつくせり」なキーボードです。


コンパクトでも使いづらさは感じられないので、万人にオススメできますよ。
NiZ X99のデメリット
使ってみてわかった、NiZ X99のデメリットもご紹介します。
特殊な配列で、癖がある
テンキーの0キー周辺部分は少々特殊で、癖があります。
0キーが1Uなので、ざっくりと0キーをタイピングする癖がついている人は要注意かと。



よく右矢印キーを押してしまいます…


また、フルキーボードをギュッとした配列ということもあり、矢印キー周辺のスペースは狭め。
よって慣れないうちはタイプミスがそこそこ発生するかと思います。もう、これは慣れるしかないですね。


もし慣れる自信がなければ、先程紹介したS104が良いと思います。
シンデレラフィットするパームレストは少ない
流通しているキーボードとしては特殊な幅である為、ピッタリ合うパームレストは見つけにくいです。
幅は実測値で37.5cmほどで、フルキーボード用のものでは少々大きく、かといってHHKBやNiZ Plum Atomのような60%配列のものでは小さいというジレンマ。
よって、フィットしたパームレストを気軽に見つけにくいのは、デメリットかと思います。


現時点で一番フィットしているのは、サイズ36.5cmの「FILCO マカロン Mサイズ」です。
実際置いてみると下記の通り、少々短いですが概ねフィットしています。


FILCOのマカロンはとってもふわふわで肌触りも良く、底面には滑り止めのグリップも完備しているので、かなり使いやすいです。
使い心地で言えば、木のパームレストよりおすすめですよ。


NiZ X99を買って幸せになれる人
ということで、下記一つでも当てはまった方は、「NiZ X99」を買うと幸せになれるでしょう。
- 静電容量無接点方式のテンキー付きキーボードを探している方
- コンパクトでかつテンキー付きがお好みの方
- NiZ独特の「コトコト」した打鍵感が好みの方
- カスタマイズ性も失いたくない方
NiZ X99とは、静電容量無接点方式・99キーのキーボードです。
テンキーありですが、通常のフルサイズキーボードよりもコンパクトな設計となっています。


また、なんと言ってもNiZ独特の「コトコト」した打鍵感は心地よく、タイピングしているだけで気持ち良いのはとっても魅力的。
マウスとの距離も短く、使い勝手が良いです。


更にキーキャップやキーマップのカスタマイズ性も高いので、どんな人にも受け入れやすい、コンパクトなテンキー付きキーボードの決定版だと思います。
NiZ X99まとめ
最後に、NiZ X99のデメリット・メリットをおさらいしましょう。
テンキー有りでコンパクトな配列って、中々無いんですよね。それに加えてNiZ特有のコトコトタイピングもできるので、ハマる人はとことんハマるキーボードになっていると思います。
貴方もNiZ X99で、スタイリッシュに心地よくタイピングをしてみませんか?